今日の症例(アトピー性皮膚炎)。
患者さんのひと工夫(サポータを使用してパッドの固定とプロテクター①)
かゆみについて
湿潤治療を行っていて患者さんが痒みを訴える時期が2回ほどあります。
1回目は,治療過程で浸出液が多い時期です。
原因は,創面には良い湿潤環境が,正常な皮膚では皮膚炎を生じるためです。
いわゆるオムツかぶれのような症状です。
それに対しては,治療材料を当てる面積を小さくし交換回数を多くしていただいたり、正常な皮膚にワセリンを塗り皮膚炎を予防したりするなどしてこの時期を乗り切っていただいています。
2回目は,皮膚が上皮化して神経が再生する時期です。
特に痒みが強くなるのが,入浴後や就寝時などの体温が上がる時です。
一週間から一ヶ月ほど痒みが続き,徐々に無くなっていきます。
この時期は,創面にワセリンを塗って乾燥予防をし,痒みのある部分をアイスノンで冷やして痒みが落ち着くのを待ちます。
痒みに関しては,まだまだ解明されていない部分が多くありますが,痛みと同じく苦痛な症状であるので,より痒みが軽減する方法をこれからも考えていきたいと思います。
1回目は,治療過程で浸出液が多い時期です。
原因は,創面には良い湿潤環境が,正常な皮膚では皮膚炎を生じるためです。
いわゆるオムツかぶれのような症状です。
それに対しては,治療材料を当てる面積を小さくし交換回数を多くしていただいたり、正常な皮膚にワセリンを塗り皮膚炎を予防したりするなどしてこの時期を乗り切っていただいています。
2回目は,皮膚が上皮化して神経が再生する時期です。
特に痒みが強くなるのが,入浴後や就寝時などの体温が上がる時です。
一週間から一ヶ月ほど痒みが続き,徐々に無くなっていきます。
この時期は,創面にワセリンを塗って乾燥予防をし,痒みのある部分をアイスノンで冷やして痒みが落ち着くのを待ちます。
痒みに関しては,まだまだ解明されていない部分が多くありますが,痛みと同じく苦痛な症状であるので,より痒みが軽減する方法をこれからも考えていきたいと思います。
陥入爪の処置のひと工夫。
30歳 男性
爪を短く切ってから痛くなったとのことで来院された。テーピングの治療を指導して自宅で様子をみていたが,テーピングの部分がカブレてしまったために,再度クリニックを受診された。
外科的な処置(肉芽切除と当たっている一部の爪を切る)を進めたが,もう少しこの方法で様子をみたいとのこと。
医師の診断:陥入爪

テーピング用のテープを直に皮膚に貼ってしまったので,一部,皮膚がカブレてしまい歩くのも痛いと。

*画像が不明瞭ですみません。
ハイドロコロイド包帯をテーピング用のテープとして使用してみる。
後日,様子を伺ったところ,テーピング用のテープよりは固定力はないが,普通に生活するには支障がないとのこと。
素人でもできる陥入爪(爪周囲炎)の治療
爪を短く切ってから痛くなったとのことで来院された。テーピングの治療を指導して自宅で様子をみていたが,テーピングの部分がカブレてしまったために,再度クリニックを受診された。
外科的な処置(肉芽切除と当たっている一部の爪を切る)を進めたが,もう少しこの方法で様子をみたいとのこと。
医師の診断:陥入爪

テーピング用のテープを直に皮膚に貼ってしまったので,一部,皮膚がカブレてしまい歩くのも痛いと。

*画像が不明瞭ですみません。
ハイドロコロイド包帯をテーピング用のテープとして使用してみる。
後日,様子を伺ったところ,テーピング用のテープよりは固定力はないが,普通に生活するには支障がないとのこと。
素人でもできる陥入爪(爪周囲炎)の治療
こんなときどうするの?(ガーゼが張り付いてしまい取れない時)
「やけどは温めると良い」に対するコメントをいただきました。
昨日,「やけどは温めたほうが良い」に対して「私の持論」を記事にしましたが,この記事に対する以下のコメントをいただきました。
貴重な御意見,ありがとうございます。
****************************************************
やけどについての古武道家の甲野善紀氏の「温めた方が良い」という
説を夏井先生にメールしたのは私です。
甲野氏と甲野氏のTwitterに載っている賛同者は、
いずれもやけどの受傷時に実践した観察事実を書いています。
私は、軽い水泡ができる程度のやけどの受傷時に2回実践して、
冷やしていただけの時には水泡ができるか赤く腫れて
ずきずきしたやけどになっていたものが、
赤くすらならなかったという事実を書いています。
甲野氏と違って、私は、先ず流水で冷やしてから温水の流水で温めました。その方が恐らくより正解だと思います。
(熱い鍋を触ってしまった程度の軽い場合です)
整形外科医の坂井学先生は、『「体を温める」とすべての痛みが消える』
という本を出していらっしゃいます。
このブログに書かれたのは、(やけど受傷時に冷やすだけで)病像が完成して受診した後の事ですが、
どんな場合でも痛みがあるのはおかしいというという原則ですね。
夏井先生のHPに載った反論は理論だけだったと思います。
炎症は、熱を持つ事が定義になっており、
そのことは、生体にとって合目的的と考えられていて、
解熱消炎鎮痛剤に対する批判が根強くあります。
夏井先生のHPで、活発な議論にならないことに
私はびっくりしています。
ものの見方、考え方は、今の詰め込み式の医学教育では
皆さん不得手になってしまったとしか思えません。
動物は過去の成功体験の繰り返し、失敗体験の回避で生きてゆくので
本質的に保守的な面が大きいのですが、新しい事態に対応してゆく為には、
発想の転換が必要ですから活発に議論したいですね。
*************************************************
様々な考えがあると思いますが,私は「夏井先生の見解」からやけどの治療は展開するべきであると思っています。この問題について皆さんはどうお考えですか?
貴重な御意見,ありがとうございます。
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やけどについての古武道家の甲野善紀氏の「温めた方が良い」という
説を夏井先生にメールしたのは私です。
甲野氏と甲野氏のTwitterに載っている賛同者は、
いずれもやけどの受傷時に実践した観察事実を書いています。
私は、軽い水泡ができる程度のやけどの受傷時に2回実践して、
冷やしていただけの時には水泡ができるか赤く腫れて
ずきずきしたやけどになっていたものが、
赤くすらならなかったという事実を書いています。
甲野氏と違って、私は、先ず流水で冷やしてから温水の流水で温めました。その方が恐らくより正解だと思います。
(熱い鍋を触ってしまった程度の軽い場合です)
整形外科医の坂井学先生は、『「体を温める」とすべての痛みが消える』
という本を出していらっしゃいます。
このブログに書かれたのは、(やけど受傷時に冷やすだけで)病像が完成して受診した後の事ですが、
どんな場合でも痛みがあるのはおかしいというという原則ですね。
夏井先生のHPに載った反論は理論だけだったと思います。
炎症は、熱を持つ事が定義になっており、
そのことは、生体にとって合目的的と考えられていて、
解熱消炎鎮痛剤に対する批判が根強くあります。
夏井先生のHPで、活発な議論にならないことに
私はびっくりしています。
ものの見方、考え方は、今の詰め込み式の医学教育では
皆さん不得手になってしまったとしか思えません。
動物は過去の成功体験の繰り返し、失敗体験の回避で生きてゆくので
本質的に保守的な面が大きいのですが、新しい事態に対応してゆく為には、
発想の転換が必要ですから活発に議論したいですね。
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様々な考えがあると思いますが,私は「夏井先生の見解」からやけどの治療は展開するべきであると思っています。この問題について皆さんはどうお考えですか?
「ヤケドの傷は温めるほうが良い」の記事に対しての持論
先日のやけどは温めたほうが良いの記事に対して,熱傷治療の現場に関わる看護師の立場としての持論は、痛みを伴った治療方法は検証し直さないといけないということです。
当クリニックの熱傷治療としては,
①組織の熱破壊を食い止める為に水道による創部の冷却。
↓
②被覆材や食品用ラップ+ワセリンを創面に当てることによる乾燥予防。
↓
③被覆してからも波打つような痛みが持続するために,局所的にアイスノンでの冷却。
そのうちに5時間程度で痛みが消えて楽になったと患者さんが言われます。
③に関して拙い私の考えを述べさせていただくと,冷却によって血管が収縮し,そのことによって血流量が減り、神経を刺激するサイトカインの作用時間を遅らせるのではないか考えています。また5時間という数値に関しては,私自身がヤケドを負った時の経験と,数人のヤケドの患者さんに伺い出した時間ですので,まだ科学的な結論は出ておりません。
患者さんが熱傷治療で痛いと言われたときに傷口を確認すると,大体,創面を乾燥させる治療材料で覆われていたり,被覆材がズレていたり,創面にテープが張り付いていたりと,何かしら痛みの原因が見えてきます(なかには心因性のものもありますが)。
その後,キチンとした原理に基づく湿潤治療(消毒はしない・乾燥させない・組織を破壊させるような軟膏は使用しない)を行なうと,瞬時に痛みが無くなったとびっくりされる患者さんが多くいます。
そのため,熱傷で痛いと訴えてきた時は一度立ち止まって原因を考えるようにしています。
他人の解釈を根拠にするのではなく,科学的に正しいかどうか原点に立ち返ることが大切であると,今回の記事を読み私自身が考えさせられました。
当クリニックの熱傷治療としては,
①組織の熱破壊を食い止める為に水道による創部の冷却。
↓
②被覆材や食品用ラップ+ワセリンを創面に当てることによる乾燥予防。
↓
③被覆してからも波打つような痛みが持続するために,局所的にアイスノンでの冷却。
そのうちに5時間程度で痛みが消えて楽になったと患者さんが言われます。
③に関して拙い私の考えを述べさせていただくと,冷却によって血管が収縮し,そのことによって血流量が減り、神経を刺激するサイトカインの作用時間を遅らせるのではないか考えています。また5時間という数値に関しては,私自身がヤケドを負った時の経験と,数人のヤケドの患者さんに伺い出した時間ですので,まだ科学的な結論は出ておりません。
患者さんが熱傷治療で痛いと言われたときに傷口を確認すると,大体,創面を乾燥させる治療材料で覆われていたり,被覆材がズレていたり,創面にテープが張り付いていたりと,何かしら痛みの原因が見えてきます(なかには心因性のものもありますが)。
その後,キチンとした原理に基づく湿潤治療(消毒はしない・乾燥させない・組織を破壊させるような軟膏は使用しない)を行なうと,瞬時に痛みが無くなったとびっくりされる患者さんが多くいます。
そのため,熱傷で痛いと訴えてきた時は一度立ち止まって原因を考えるようにしています。
他人の解釈を根拠にするのではなく,科学的に正しいかどうか原点に立ち返ることが大切であると,今回の記事を読み私自身が考えさせられました。