医療用 アルギン酸塩被覆材(ソーブサン・カルトスタットなど)の使い方

****『新しい創傷治療』より 引用***********************************

【アルギン酸塩被覆材】

商品名ではカルトスタット(Convatec),ソーブサン(アルケア),アルゴダーム(メディコン),クラビオAG(クラレ)など。
海草のコンブから抽出されたアルギン酸塩(ソーブサン,アルゴダームではカルシウム塩,カルトスタットではカルシウム塩とナトリウム塩の混合)を繊維状にして不織布にしたもの。
アルギン酸は自重の15~20倍の水分を吸収するが,浸出液などのナトリウムイオンを含む水分を吸収するとゲル化する。このゲルが創面の湿潤環境を保つことになる。

また,極めて強力な止血効果を有することも特徴的。これは,ゲル化する際にカルシウムイオンを放出することによるもの。

通常はフィルムドレッシング材で密封して使用する。

幾つかの製品があるが,カルトスタットは線維が太く硬いためゲル化する率が低く崩れにくいが,ソーブサンは線維が細く柔らかいゲルになり,崩れやすいが,実際の使用では大きな差はないようだ。

新鮮外傷に使用する場合,強力な止血作用は非常に有用。指尖部切断のように通常の圧迫ではなかなか止血しない場合でも,アルギン酸塩で被覆して密封し,患肢を数分間挙上するだけで,ほとんどの例で止血が得られる。
 筆者の経験では,ワーファリン内服中の女性の指尖部損傷でも問題なく止血が得られているし,同様にワーファリン内服中の男性の鼻出血もアルギン酸塩の充填で程なく止血が得られている。これは手術などで使われる止血材料のどれと比較しても遜色ないものと思われる。
当然,挫傷などで創面をブラッシングをした際の出血も,アルギン酸塩被覆材で十分対応可能である。

以上のような特性から,この被覆材は「出血を伴う皮膚欠損創」には最適であり,受傷直後の処置はこれだけで十分だろう。

なお,この被覆材が開発されるに至った歴史的背景も,なかなか興味深い。
第2次大戦中,ドイツ軍のUボートに阻まれてアメリカからイギリスへの綿の輸出がストップしてしまい,傷口のドレッシングをする素材がなくなり,困ったイギリス軍が代用品として海草から線維から綿のようなものを作り,それを使ったのが発端らしい。
要するに,代用品とした使ってみたら,本物も綿よりも速く傷が治るじゃないか,ということだったのだろう。もちろん,実際の製品となるにはそれから40年後になるわけだが・・・。

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2018-02-06 : 治療 : コメント : 0 :
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湿潤治療に魅了されて数十年。
病院に来た患者さんや家族を笑顔にしてお帰したい,そんな思いで今も治療にあたっています。日々,患者さんに教えていただくことを綴っていきたいと思います。

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